パッケージの背景

食品包装業界で有名な会社の中には、もともと印刷会社であったという会社もあるようで、文房具などの製作のノウハウが活かされているのかもしれません。この会社は、その当時より「誠意」「努力」「堅実」と言った社訓を掲げ、最初は工場ももなく、近場の会社に営業をして、仕事として成立する場合にはなんと外部の工場へと発注するスタイルをとっていたようです。しかし、太平洋戦争が始まるとそのような需要もなくなり、仕事は激減。従業員は家族だけという営業を細々と続けていたそうです。

さらに大阪空襲によって焼け出され、営業停止になったものの、事務所を移転し、営業を再開。そこから息子が出征より帰還し、その息子の発案で印刷から農産物の包装という事業へ展開することになったと言われています。事業の移転当時も従業員は親族だけという体制だったものの、だからこそうまく回っていたのではないでしょうか。

土地柄もあり、そのころの仕事はスーパーやショッピングセンターなどのチラシやポスター、カレンダーというような販促物や、そこで使用される包装紙と言ったものの印刷物が中心だったこともあり、食品包装へと踏み出すにはクッションがあったことが窺われるのではないでしょうか。

この頃から「創造」「努力」「誠意」という社訓へと変化し、歴史を築いてきたという背景があるようです。印刷という違う畑から食品包装業界への転身というのは、間にクッションがあったとしても全く別物であり、また、成功を納め続けている背景には食品の研究や製品の開発など、私たちが考えも及ばないほどの企業努力が蓄積されていると言えるのではないでしょうか。何気なくスーパーに並んでいるように見える生鮮食品ですが、このような企業努力あってこその美味しさであると言えるでしょう。

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