フィルム包装

農産物包装の出発点としてよく話に上がるのは、みかんやリンゴなどの果物の包装と言えるのではないでしょうか。

とある会社でも農産物包装へと踏み出すきっかけになったのは和歌山県特産のみかんがきっかけとなったと言われているようです。このみかんは、デコポンのような愛嬌いっぱいのダルマ形でありながら、夏みかんのように剥きやすい柔らかい皮が特徴のもので、爽やかな果汁がたっぷり味わえるため珍重されていたようですが、そのために管理は重要で、この大仕事を契機に、多くの地域のみかん包装を手がけるようになったとされています。

例えば瀬戸内海のみかんは、ほろ苦さと独特の香り、爽やかな風味が特徴の美味しいみかんと言えますが、人気の出ない要因として皮の表面に色つやがあまりないことから消費者に選ばれないという残念な状況であったようです。

そこで、包装に力を入れ、黄色いセロハンで覆い、見た目をカバーしたところ、売上は大幅に増加したという実績もあるようです。この実績が、その会社におけるフィルム包装の始まりであったとされています。当時は農協の組織化もあまりされておらず、農産物は生産者から直接買い付けて販売すると言った個人でやっている商店が多く、生産者さんと商店の結びつきの深さというのも仕事に影響していたと言われています。

そもそも木箱での納品が主流という時代から、フィルム包装という大躍進は、みかんだけではなく、様々な農産物の救世主的存在であったのではないでしょうか。

こういった大躍進があるからこそ、全国どこにいても各地の農産物や生鮮食品が美味しく食べられる時代があると言えるでしょう。これからは環境にも配慮した優しい包装という点が注目されていくのではないでしょうか。

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